日本全国には数えきれないほどの温泉があり、どの温泉が良いか迷ってしまいますね。
そこで日本経済新聞社の企画の『日本百名湯』およびNPO法人健康と温泉フォーラムが選定した『名湯百選』から、九州地方にある温泉教授や温泉療法医がすすめる温泉地を紹介します。
温泉旅行の参考にしてください。
福岡県の名湯
【二日市温泉】(ふつかいちおんせん)
所在地:福岡県筑紫野市
泉質:放射能泉
特徴:
日本百名湯の1つ。
温泉街には昭和天皇、江沢民、美空ひばりなどと縁がある旅館を含む宿泊施設の他、共同浴場がある。
開湯は奈良時代で、歴史上の記録によれば、万葉集に収められた大伴旅人の詠んだ歌(湯の原に 鳴く芦田鶴は わがごとく 妹に恋ふれや 時わかず鳴く)に初めて出てくる。
また、幕末には三条実美が訪れて、句(ゆのはらに あそふあしたつ こととはむ なれこそしらめ ちよのいにしへ)を残した。
【筑後川温泉】(ちくごがわおんせん)
所在地:福岡県うきは市
泉質:単純温泉、硫黄泉、放射能泉
特徴:
名湯百選の1つで、国民保養温泉地。
筑後川の中洲に旅館などを含む温泉街が広がっている。
西側にある『原鶴温泉』と同様に『筑後川の鵜飼い』が有名。
【吉井温泉】(よしいおんせん)
所在地:福岡県うきは市
泉質:単純温泉、炭酸水酸化鉄泉
特徴:
名湯百選の1つで、国民保養温泉地。
筑後川沿いに数軒の旅館を含む温泉街が広がっている。
対岸には『原鶴温泉』がある。
名物は原鶴温泉と同様、『筑後川の鵜飼い』と『鮎料理』。
佐賀県の名湯
【嬉野温泉】(うれしのおんせん)
所在地:佐賀県嬉野市
泉質:ナトリウム - 炭酸水素塩・塩化物泉
特徴:
日本百名湯の1つ。
『武雄温泉』とともに佐賀県を代表する温泉地である。
嬉野市によって「日本三大美肌の湯・嬉野温泉」「佐賀・嬉野温泉」の名称で商標登録されている。
温泉街は九州でも有数の大きさで、嬉野川を挟んで大小50軒近くの旅館が軒を並べ、その中に昭和62年に昭和天皇が宿泊した宿泊施設が含まれる。
商店街の中心部には、足湯「シーボルトの湯」がある。
名物は『嬉野温泉湯どうふ』。(嬉野市によって商標登録されている)
※日本三大美肌の湯
⇒喜連川温泉(きつれがわおんせん)[栃木県]
⇒斐乃上温泉(ひのかみおんせん)[島根県]
⇒嬉野温泉(うれしのおんせん)[佐賀県]
【武雄温泉】(たけおおんせん)
所在地:佐賀県武雄市
泉質:単純温泉、炭酸水素塩泉
特徴:
日本百名湯の1つ。
温泉街の楼門は新館とともに国の重要文化財に指定されていて、武雄温泉のシンボルになっている。
楼門をくぐると、共同浴場や貸切風呂がある。
貸切風呂の『殿様湯』『家老湯』は鍋島氏専用の浴場であった施設。
【古湯温泉】(ふるゆおんせん)
所在地:佐賀県佐賀市
泉質:アルカリ性単純温泉
特徴:
名湯百選の1つ。
温泉街には十数軒の旅館が存在し、共同浴場『古湯温泉センター』がある。
温泉街ではイベントが多く開催されており、6月は蛍鑑賞会、7月は花火大会、9月は映画祭などがある。
約2200年前、秦の始皇帝の命令で不老不死の薬を探しに来た徐福が発見したという開湯伝説がある。
【熊の川温泉】(くまのかわおんせん)
所在地:佐賀県佐賀市
泉質:放射能泉
特徴:
名湯百選の1つ。
開湯は821年で、伝説によれば弘法大師が水鳥を見て発見したとされる。
温泉街には旅館と共同浴場がある。
昭和41年に古湯温泉とともに国民保養温泉地に指定されたが、令和元年に指定が取り消された。
長崎県の名湯
【雲仙温泉】(うんぜんおんせん)
所在地:長崎県雲仙市
泉質:硫黄泉
特徴:
日本百名湯・名湯百選の1つで、国民保養温泉地。
キリシタン殉教悲史の舞台で世界的に有名。
また、日本初の国立公園である雲仙天草国立公園に指定された。
温泉街は噴気帯『雲仙地獄』を囲むように存在しており、地獄内には遊歩道が整備されている。
遊歩道沿いには『真知子岩』『婆石』『鏡石』『キリシタン殉教碑』『聖火燃ゆ之碑』といった奇岩・石碑が点在する。
さらには地獄展望台や共同浴場、足湯等も設けられている。
※雲仙地獄
雲仙には30に及ぶ地獄があるが、そのうちの代表的なものを以下に挙げる。
⇒清七地獄
⇒八万地獄
⇒雀地獄
⇒お糸地獄
⇒大叫喚地獄
⇒邪見地獄
⇒泥火山
【小浜温泉】(おばまおんせん)
所在地:長崎県雲仙市
泉質:ナトリウム - 塩化物泉
特徴:
日本百名湯・名湯百選の1つで、国民保養温泉地。
「湧出量×湯温」で求められる放熱量が日本一と言われている。
温泉街は雲仙岳の麓の橘湾を臨む海辺に旅館やホテルが軒を連ね、夕日を眺めながら入浴できる共同浴場や日本一の長さの足湯施設『ほっとふっと105』がある。
名物は豊富な海鮮とあっさりスープの『小浜ちゃんぽん』。
熊本県の名湯
【黒川温泉】(くろかわおんせん)
所在地:熊本県阿蘇郡南小国町
泉質:硫黄泉
特徴:
日本百名湯の1つで、国民保養温泉地(南小国温泉郷)。
南小国温泉郷を構成する温泉の1つであるが、広義の阿蘇温泉郷に含まれることもある。
温泉街では、田の原川の両側にこぢんまりとした和風旅館が建ち並ぶ。
ほとんどの旅館に露天風呂があり、立ち寄り型ツアー以外の旅行客は『入湯手形』を購入することで3ヶ所まで選んで入浴することができる。
手形は温泉街の中心にある旅館組合の事務所兼案内所で入手できる。
なお、黒川温泉の名称は地域団体商標として商標登録されている。
※南小国温泉郷
⇒黒川温泉(くろかわおんせん)―硫黄泉
⇒満願寺温泉(まんがんじおんせん)―アルカリ性単純温泉
⇒田の原温泉(たのはるおんせん)―含芒硝重曹炭酸弱食塩泉
【地獄温泉】(じごくおんせん)
所在地:熊本県阿蘇郡南阿蘇村
泉質:単純硫黄泉(硫化水素型硫黄泉)
特徴:
日本百名湯・名湯百選の1つ。
阿蘇温泉郷を構成する温泉の1つで、すぐ隣に垂玉温泉がある。(源泉が異なるため、別温泉扱い)
かつては山の中にいくつかの宿が散在していたが、現在、宿泊施設は1軒のみ。
しかし、多くの浴場があり、湯めぐりができる。
熊本地震を経て、湯治場としてよりも一般の宿泊向けに変わりつつある。
※阿蘇温泉郷
⇒阿蘇内牧温泉(あそうちのまきおんせん)―含石膏芒硝泉
⇒阿蘇赤水温泉(あそあかみずおんせん)―硫酸塩泉
⇒地獄温泉(じごくおんせん)―単純硫黄泉
⇒垂玉温泉(たるたまおんせん)―単純硫化水素泉
【垂玉温泉】(たるたまおんせん)
所在地:熊本県阿蘇郡南阿蘇村
泉質:単純硫化水素泉
特徴:
日本百名湯・名湯百選の1つ。
阿蘇温泉郷を構成する温泉の1つで、すぐ隣に地獄温泉がある。(源泉が異なるため、別温泉扱い)
宿は1軒のみだが、すぐ隣の地獄温泉と一緒に宿泊者を対象にした温泉の相互利用を認めている。
宿泊旅館のフロントで『入浴券』を入手すれば、相手側のすべての浴場をめぐることができる。
なお、宿には内湯が1つと露天風呂が2つ存在する。
現在は熊本地震の影響で休業中。(再開は未定)
【杖立温泉】(つえたておんせん)
所在地:熊本県阿蘇郡小国町
泉質:塩化物泉
特徴:
日本百名湯の1つ。
杖立川沿いの谷間の狭地にさまざまな旅館が建ち並び、温泉街では『湯巡り手帳』が発行されている。
また、5軒の共同浴場と足湯のある公園も存在する。
温泉名の由来は、「湯に入りて 病なおれば すがりてし 杖立ておいて 帰る諸人」という弘法大師の歌から。
なお、一帯は耶馬日田英彦山国定公園(やばひたひこさんこくていこうえん)に含まれる。
5月の風物詩の『こいのぼり祭り』は杖立温泉が発祥地。
【日奈久温泉】(ひなぐおんせん)
所在地:熊本県八代市
泉質:弱アルカリ単純泉
特徴:
日本百名湯の1つ。
天草諸島を望む不知火海(八代海)の海岸沿いに温泉街が広がっている。
木造三階建ての旅館が点在し、ほとんどの旅館が源泉かけ流しである。
名物は夏場の『不知火見物』、冬季の『晩白柚(柑橘類の一種)風呂』、『タチウオ・ハモ・ワタリガニ』などの海の幸、『竹細工』。
また、日奈久の名産として『高田焼』『竹細工』『日奈久ちくわ』が知られている。
【湯の児温泉】(ゆのこおんせん)
所在地:熊本県水俣市
泉質:含食塩重曹泉
特徴:
名湯百選の1つ。
「山の温泉」と呼ばれている湯の鶴温泉に対し、「海の温泉」と呼ばれている。
水俣の市街地から八代海の海岸沿いにホテルや旅館が林立している。
夏は海水浴客が多いが、温泉の近くに果樹園も多く存在するため、フルーツ狩りを楽しむ観光客もいる。
名物はタチウオ。
『湯の児チェリーライン(湯の児海岸道路)』の桜並木は湯の児温泉の名所の1つであり、「日本さくら名所100選」の1つでもある。
大分県の名湯
【鉄輪温泉】(かんなわおんせん)
所在地:大分県別府市
泉質:単純泉、食塩泉、炭酸鉄泉など
特徴:
日本百名湯・名湯百選の1つで、国民保養温泉地。
また、別府八湯の1つ。
日本最大の湧出量である別府の源泉の大半が鉄輪温泉に集中している。
今も古い宿泊施設が残っており、小規模な湯治宿も建ち並ぶレトロな雰囲気の温泉街である。
あちこちから湯けむりが上がる様は明礬温泉とともに「別府の湯けむり・温泉地景観」として重要文化的景観として選定されている。
共同浴場は9ヶ所。ほとんどの泉質が塩化物泉あるいはナトリウム塩化物泉。
このうち、地獄原(じごくばる)温泉の泉質は含ホウ酸食塩泉。
観光として『別府地獄めぐり』、名物に『地獄蒸し』(高温の温泉を利用した料理)がある。
※別府八湯
⇒別府温泉(べっぷおんせん)―単純泉、食塩泉、重曹泉、重炭酸土類泉など
⇒浜脇温泉(はまわきおんせん)―炭酸水素泉、塩化物泉など
⇒観海寺温泉(かんかいじおんせん)―単純泉、含重曹食塩泉
⇒堀田温泉(ほりたおんせん)―弱酸性低張性高温泉、硫黄泉
⇒明礬温泉(みょうばんおんせん)―酸性硫化水素泉、緑ばん泉
⇒鉄輪温泉(かんなわおんせん)―単純泉、食塩泉、炭酸鉄泉など
⇒柴石温泉(しばせきおんせん)―含鉄泉、硫酸塩泉など
⇒亀川温泉(かめがわおんせん)―ナトリウム・塩化物泉
※別府地獄めぐり
別府温泉には多数の『地獄』が存在するが、地獄組合に加入しているのは以下の地獄。
⇒海地獄(うみじごく)―含食塩酸性泉、鉄輪温泉
⇒鬼石坊主地獄(おにいしぼうずじごく)―ナトリウム-塩化物泉、鉄輪温泉
⇒かまど地獄(かまどじごく)―含芒硝弱食塩泉、鉄輪温泉
⇒鬼山地獄(おにやまじごく)別名:ワニ地獄―ナトリウム-塩化物泉、鉄輪温泉
⇒白池地獄(しらいけじごく)―含ホウ酸食塩泉、鉄輪温泉
⇒血の池地獄(ちのいけじごく)―酸性緑礬泉、柴石温泉
⇒龍巻地獄(たつまきじごく)―含食塩酸性泉、柴石温泉
【明礬温泉】(みょうばんおんせん)
所在地:大分県別府市
泉質:酸性硫化水素泉、緑ばん泉
特徴:
日本百名湯・名湯百選の1つで、国民保養温泉地。
また、別府八湯の1つ。
別府市街から少し離れた山に温泉街がある。
源泉の周囲には湯の花小屋が建ち並んでおり、江戸時代から明礬(湯の花)が採取されている。
あちこちから湯けむりが上がる様は鉄輪温泉とともに「別府の湯けむり・温泉地景観」として重要文化的景観として選定されている。
コロイド硫黄を含んで白濁した温泉が多いが、美肌効果の高い『ドロ湯』が味わえるところもある。
なお、別府明礬温泉の湯の花製造技術は国の重要無形民俗文化財に指定されている。
【由布院温泉】(ゆふいんおんせん)
所在地:大分県由布市
泉質:単純温泉
特徴:
日本百名湯・名湯百選の1つで、国民保養温泉地。
湯布院温泉郷を構成する温泉の1つで、温泉湧出量、源泉数ともに全国2位の豊富な湯量を誇る。
宿泊施設は賑やかな『由布見通り』『湯の坪街道』付近から外れた周辺の川端や林の間に点在する。
大型ホテルや巨大旅館がなく田園的な名残を残し、そのようなまちづくりに深くかかわってきた高級旅館が多いのも特徴。
湯量が豊富なため、手ごろな値段で入浴できる『共同温泉』が多い。
『由布岳』が町のランドマークになっており、冬季の晴れた日は朝霧がよく見られる。
※湯布院温泉郷
⇒由布院温泉(ゆふいんおんせん)―単純温泉
⇒湯平温泉(ゆのひらおんせん)―ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(塩化物泉)
⇒塚原温泉(つかはらおんせん)―硫酸塩泉
⇒庄内温泉(しょうないおんせん)―単純温泉、ナトリウム-硫酸塩泉等
⇒挾間温泉(はさまおんせん)―アルカリ性単純温泉等
【川底温泉】(かわぞこおんせん)
所在地:大分県玖珠郡九重町
泉質:単純温泉
特徴:
日本百名湯の1つで、九重九湯(ここのえきゅうとう)の1つ。
町田川沿いに玉石を敷き詰めた足元湧出の混浴大浴場が有名な一軒宿が存在する。
1856年の開業時に造られた大浴場の湯船が今もそのまま使われている。
また、町の入り口に飲泉場があり、飲泉時は胃腸に対する効能があるとされている。
※九重九湯(ここのえきゅうとう)
⇒宝泉寺温泉(ほうせんじおんせん)―単純温泉
⇒壁湯温泉(かべゆおんせん)―単純温泉
⇒川底温泉(かわぞこおんせん)―単純温泉
⇒竜門温泉(りゅうもんおんせん)別表記:龍門温泉―強アルカリ性単純温泉
⇒湯坪温泉(ゆつぼおんせん)―硫黄泉、単純温泉
⇒筋湯温泉(すじゆおんせん)―単純温泉、ナトリウム - 塩化物泉
⇒筌の口温泉(うけのくちおんせん)―炭酸水素塩泉
⇒長者原温泉(ちょうじゃばるおんせん)―炭酸水素塩泉、単純硫化水素泉
⇒寒の地獄温泉(かんのじごくおんせん)―硫化水素泉
【長湯温泉】(ながゆおんせん)
所在地:大分県竹田市
泉質:炭酸水素塩泉、二酸化炭素泉
特徴:
日本百名湯の1つで、国民保養温泉地(竹田温泉郡)。
炭酸濃度、湧出量、温度から「世界屈指の炭酸泉」「日本有数の炭酸泉」とされる。
芹川に沿って旅館や国民宿舎の他に公衆浴場・共同浴場が点在する。
ガニ湯周辺に旅館や温泉施設が比較的集中しているが、周囲は田園風景が広がり、飲泉所や湧水が点在している。
※竹田温泉郡
⇒長湯温泉(ながゆおんせん)―炭酸水素塩泉、二酸化炭素泉
⇒赤川温泉(あかがわおんせん)〔久住高原温泉郷〕―含二酸化炭素・硫黄 - カルシウム - 硫酸塩冷鉱泉、石膏硫黄泉
⇒七里田温泉(しちりだおんせん)〔久住高原温泉郷〕―マグネシウム・ナトリウム・炭酸水素塩泉
⇒白丹温泉(しらにおんせん)〔久住高原温泉郷〕―硫黄泉
⇒久住温泉(くじゅうおんせん)〔久住高原温泉郷〕―炭酸水素塩泉、硫酸塩泉 ※出典:ゆこゆこ
⇒法華院温泉(ほっけいんおんせん)〔久住高原温泉郷〕―カルシウム・マグネシウム・ナトリウム硫酸塩泉
⇒竹田温泉(たけたおんせん)―塩化物泉 ※出典:竹田市観光ツーリズム協会
⇒荻(荻の里)温泉(おぎ(おぎのさと)おんせん)―炭酸水素塩泉 ※出典:天然温泉 荻の里温泉
【柴石温泉】(しばせきおんせん)
所在地:大分県別府市
泉質:含鉄泉、硫酸塩泉など
特徴:
名湯百選の1つで、国民保養温泉地。
また、別府八湯の1つ。
『血の池地獄』や『龍巻地獄』の一帯にある由緒ある温泉で、平安時代に醍醐天皇や後冷泉天皇が入湯したと言われている。
宮崎県の名湯
【京町温泉】(きょうまちおんせん)
所在地:宮崎県えびの市
泉質:単純温泉
特徴:
日本百名湯の1つ。
昔ながらの住宅街に紛れて小・中規模の旅館が軒を並べる。
周囲を霧島連山に抱かれるなど景観に優れた、保養向けの温泉地。
えびの高原や霧島方面への観光中継地としても利用される。
京町温泉駅周辺には『京町銀天街』があり、毎年2月に『京町二日市』が行われる。
また、毎年7月の第3土曜日に花火大会『京町温泉夏祭り』が行われる。
普段はひっそりしているが、これらのイベントの時はかなりの賑わいを見せる。
鹿児島県の名湯
【指宿温泉】(いぶすきおんせん)
所在地:鹿児島県指宿市
泉質:塩化物泉(ナトリウム)
特徴:
日本百名湯・名湯百選の1つ。
『砂蒸し』で有名な摺ヶ浜温泉、弥次ヶ湯温泉、二月田温泉などの温泉群の総称である。
特に摺ヶ浜付近に大規模な宿泊施設が集中している。
毎年1月の第2日曜日に開催される『いぶすき菜の花マラソン(指宿温泉マラソン)』は、毎回1万人以上の参加者が集まっている。
近隣の海岸を掘れば砂蒸しができる場所があるため、海水浴をしてから砂蒸しをすることも可能。
高温の場所にサツマイモや生卵を埋めておけば、蒸かし芋やゆで卵ができあがる。
※指宿温泉のその他の温泉地
⇒弥次ヶ湯温泉(やじがゆおんせん)―観葉植物の栽培に利用。
⇒湯之里温泉(ゆのさとおんせん)―周辺の宿泊施設等の泉源として利用。
⇒大牟礼温泉(おおむれおんせん)―『三国名勝図絵』に記されている古湯。「村之湯温泉」として現存。
⇒潟口温泉(がたぐちおんせん)―魚の養殖に利用。
⇒潟山温泉(がたやまおんせん)―主に農業に利用。
⇒二月田温泉(にがつでんおんせん)―弱酸性の温泉。かつて島津斉興の館(殿様湯)があった。
⇒河原湯温泉(こらんゆおんせん)―二月田温泉の西側に隣接する温泉。。
⇒宮ヶ浜温泉(みやがはまおんせん)―魚の養殖に利用。
⇒柴立温泉(しばたておんせん)―宮ヶ浜駅付近に存在した温泉。現在は使われていない。
【霧島温泉郷】(きりしまおんせんきょう)
所在地:鹿児島県霧島市・湧水町
泉質:硫黄泉、炭酸硫黄泉、硫化水素泉、食塩泉、酸性泉、単純温泉など
特徴:
日本百名湯・名湯百選の1つで、国民保養温泉地。
霧島山中腹に点在する温泉群の総称だが、狭義の温泉郷と広義の温泉郷とがある。
温泉郷の中心的存在は『丸尾温泉(別名:霧島温泉)』。
湯治部を備えた宿も多い。
『栄之尾温泉』は坂本龍馬・お龍夫妻が訪ねたことで有名だが、寒冷地のため冬季は閉鎖される。(現在、無期限閉鎖中)
※郷内の代表的温泉
⇒湯之谷温泉(ゆのたにおんせん)―硫黄泉、炭酸硫黄泉
⇒丸尾温泉(まるおおんせん)―食塩泉、単純硫化水素泉、硫黄泉
⇒栄之尾温泉(えいのおおんせん、えのおおんせん)―単純酸性温泉
⇒霧島神宮温泉(きりしまじんぐうおんせん)―単純温泉、硫化水素泉
⇒栗野岳温泉(くりのだけおんせん)―酸性・含鉄(II、III)-アンモニア-硫酸塩泉(明礬緑礬泉)、酸性単純硫黄泉、酸性単純硫黄泉(ラジウム含有)
【新川渓谷温泉郷】(しんかわけいこくおんせんきょう)
所在地:鹿児島県霧島市
泉質:炭酸水素塩泉
特徴:
日本百名湯の1つで、国民保養温泉地(隼人・新川渓谷温泉郷)。
もともとは新川渓谷一帯に点在する温泉群の総称だったが、近年はその範囲を隼人町の温泉まで広げることもある。
※郷内の温泉
⇒日の出温泉(ひのでおんせん)―ドライブイン風の日帰り施設のみ。
⇒塩浸温泉(しおびたしおんせん、しおひたしおんせん)―別名:鶴の湯。坂本龍馬夫妻が新婚旅行の際に入浴した。
⇒安楽温泉(あんらくおんせん)―湯治主体の温泉で、民宿や自炊宿が多い。
⇒新川温泉(しんかわおんせん)―別名:天降川(あもりがわ)温泉。大自然に囲まれている。ホテルは1軒のみ。
⇒妙見温泉(みょうけんおんせん)―新川渓谷温泉郷の中では最も大きい。元々が湯治場で、自炊宿が多い。
⇒日当山温泉(ひなたやまおんせん)―別名:隼人温泉。蛭子命が療養したという伝説や、西郷隆盛が浸かった温泉もある。
⇒姫城温泉(ひめぎおんせん)―鹿児島湾で獲れる海の幸を堪能できる。
【栗野岳温泉】(くりのだけおんせん)
所在地:鹿児島県姶良郡湧水町
泉質:酸性・含鉄(II、III)-アンモニア-硫酸塩泉(明礬緑礬泉)、酸性単純硫黄泉、酸性単純硫黄泉(ラジウム含有)
特徴:
日本百名湯・名湯百選の1つで、国民保養温泉地。
広義の霧島温泉郷を構成する温泉の1つ。
一軒宿があり、湯治部と旅館部に分かれていて、日帰り入浴ができる。
裏手に飲泉専用の『ラムネ湯』や温泉地獄の『八幡大地獄』がある。
西郷隆盛も湯治に訪れていたと言われる。
【川内高城温泉】(せんだいたかぎおんせん)
所在地:鹿児島県薩摩川内市
泉質:単純硫黄泉
特徴:
名湯百選の1つ。
かつて川内温泉や高城温泉、湯川内(ゆごうち)温泉と呼ばれていたことがある。
歴史は非常に古く、鎌倉時代にまで遡るといわれ、鹿児島県最古の温泉とされている。
宿泊施設の半数は自炊宿のため、湯治・保養向けである。
明治時代、西郷隆盛が狩りの途中に何度も立ち寄ったと言われており、隆盛ゆかりのエピソードが多い。
★参考文献★
日本温泉協会
Wikipedia